彼女は太虚剣派の五番弟子であり、この百年間で精衛真人以外で唯一、最高の境界「太虚剣神」を会得した人物なのだから。

二歳で武術を習い始め、十三歳にして太虚境界に到達した。「我をも忘れる至高の神剣」と呼ばれる絶世の剣客である。

伝記解放:「凌霜」

凌霜はこれまでの三十七年間の人生において、ひたすら剣を持ち続け、本当の意味で世間に足を踏み入れたことはなかった。

挫折も失敗も味わわず、半端な願望や絆もない。

常識、規則、論理、理性、世情……凡人を束縛するあらゆるものに対して、凌霜は気にも留めず、注意も向けなかった。

しかし…… 「そうね。私が悪かった。」 幸い、それを知っているのは彼女と親しい人だけだった…… 「あなたくらいの年頃なら、男性のことも考えて当然ね。」 ……この人の独断能力は本当にすごい。 「??……何て言いました!?」 素裳は恥ずかしさのあまり、どうしていいのか分からなくなり、思わず羅刹人の体に目を向けた。凌霜も、ジロジロと彼を値踏みするように見ている。 羅刹人は不思議な姿勢で地面に倒れているが、誰も彼を抱き起こして寝台に寝かせようとはしない。 「少し老けているけど。」 凌霜は冷たく言い放った。 「あなたもあなたの母親も男を見る目がないようね。」 「えっ?違いますよ!師匠、誤解です――」 素裳は慌てて手を振り、あたふたしながら話題を逸らそうとした。 「あの、か、かかか……彼の傷は大丈夫ですか?」 「よくないわ。あなたよりもずっと重い。」 「この傷はあの馬非……師叔のせいなんですか?」 凌霜は首を横に振った。 「この程度の力なら彦卿の気を引くことはないでしょうね。彼は力尽きて敗れたのよ。」 「彦卿と戦うために、彼は体の中の真気を文字通り一滴残らず使い果たしたの。どんな邪法を使ったのかわからないけど、死ななかっただけでも御の字ね。」 師匠は床の上に転がっている金髪の男に目を向ける。 「片手は焼け焦げていて、もう使い物にならないでしょうね。筋肉や骨は影響を受けていないけど、内傷がひどくて寿命が10年は減ったでしょうし、様々な弊害が生じるかもしれない。こんな男はよしなさい、考え直すのよ。」 「……この人は大丈夫です。」

素裳は羅刹人の黒くなった腕を見つめる。それはもう人の腕には見えなかった。

しかし、彼女は彼が回復すると信じていた。そして、肉体を治療できる、あの「黒淵白花」を信じていた。

素裳は身をもって体験したので、その不思議さを理解していたのだ。

彼に十分な真気さえあれば……

「師匠、お願いがあります。」 「ええ、言ってみなさい。」 「その……師匠の剣気を彼に分けてあげてもらえませんか。」 「太虚剣気を?彼の年齢では習得できないでしょうね。あなたが剣心訣を教えてあげて、彼自身に試させてみなさい。」 「えっ?そういうつもりじゃないんです。内功を彼に…… あれ、待って。剣心訣って教えてもいいんですか?」 「どうしていけないの?」 「お、お祖師様が外部に伝えるのを禁じているのでは?」 「……」 「…………」 太虚剣派の五番弟子は目を閉じて物思いに耽り、しばらくしてまた目を見開いた。 「教えることはできない。諦めなさい。」 「アタシも…… ああ、もういいです!アタシが言いたいのは、師匠の太虚剣気で彼の内功を回復させてほしいってことなんです。 彼にはすごい法器があって、十分な真気さえあれば、どんな傷も治せるんです。」 「あら。」 凌霜は小さく頷いた。 「それなら少し待っていて。彦卿を追い払ったら手を貸してあげるから。」 「師匠、ありがとうございます!」 素裳は満面の笑みを浮かべた。 「やっぱり師匠は最高ですね!」 「ええ。あなたたち、もう少し眠りなさい。」 素裳は驚き、慌てて手を振る。 「いえ、ねねね――寝ません!」